トルコ

イスタンブール

トルコing

 イスタンブール(トルコ語 : Istanbul)は、トルコ共和国西部に位置する。首都アンカラを上回るトルコ最大の都市で、イスタンブール県の県都でもある。2000年の人口は約880万人。
 イスタンブールはアジアとヨーロッパの2つの大陸にまたがる都市。その中心を貫くボスポラス海峡は、黒海、マルマラ海、そして金角湾に注ぎ込んでいる。イスタンブールは、かつてローマ帝国、ビザンチン帝国、オスマン帝国という3代続いた大帝国の首都であった。
 
 現在「旧市街」と呼ばれる、マルマラ海と金角湾に囲まれた、ヨーロッパ大陸から突き出した半島の先端に設けられた古代ギリシアの植民都市ビュザンティオンが、イスタンブルの起源である。ローマ帝国末期330年にコンスタンティヌス1世がここに遷都、ビュザンティオンをコンスタンティノポリスと改名した。以来1000年以上に渡り、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の首都として、1453年のコンスタンティノポリス陥落までキリスト教徒の都であった。
 1453年にこの町を征服したオスマン帝国のメフメト2世はただちにエディルネから遷都し、イスタンブルは引き続き東地中海を支配する帝国の首都となった。町の支配的な宗教はイスラムに改められ、聖ソフィア大聖堂をはじめとする多くのキリスト教の教会がモスクに転用された。
 
ブルーモスクのライトアップ(多重露出)
ブルーモスクのライトアップ
 
イスタンブールのホテル

イスタンブールの観光名所

宮殿

トプカプ宮殿  トプカプ宮殿ボスポラス海峡、金角湾とマルマラ海の出会うところに、15世紀から19世紀にかけてオスマン帝国の中心であったトプカプ宮殿があります。トプカプ宮殿は様々な建物が迷路のようにつながっていて、豪奢を極めた宮殿の中で、スルタンと家来たちは生活し、統治していました。宮殿の外側、第一庭園と呼ばれるところは、樹木の生い茂る見事な庭園です。第二庭園の右側、糸杉とプラタナスの木陰になる場所はかつての宮廷の調理棟で、現在は帝国のクリスタル、銀、中国陶磁器のコレクションの展示館となっています。左側は、スルタンの多くの妻たち、そしてその子供たちが暮らした部屋が残るハーレムで、何世紀にも渡った密会の余韻がいまも漂い、訪れる人を不思議な気分にします。
 
ドルマバフチェ宮殿  ドルマバフチェ宮殿スルタン・アブドゥルメジット1世によって19世紀中頃に建てられたドルマバフチェ宮殿は、ボスポラス海峡のヨーロッパ側の岸に沿って、海峡側を正面にして建てられた全長600メートルの宮殿です。56本の円柱と、750個のキャンドルがついた4.5トンの重さの巨大なクリスタルシャンデリアのある広大なレセプション・サロンは目を見張るほど豪勢です。
 
 ベイレルベイ宮殿:19世紀、スルタン・アブドゥルアズィスは、ボスポラス海峡のアジア側に、木蓮をたくさん植えた庭を中央に配した白い大理石造りの夢のように美しい宮殿、ベイレルベイ宮殿を建てました。ここはスルタンの夏の別荘に使われ、外国からの賓客が訪れたときにも滞在先として使われました。フランス皇后ユージェニーも、ここに滞在した一人です。
 
 ユルドゥズ宮殿のステート・パビリオンは、一連のパビリオンとモスクを統合した建物です。アブドゥルハミット2世によって、19世紀の末に完成しました。建物の中で最も広く優雅なシャレは、スルタンたちが暮らし、客をもてなした場所で、とても贅沢な作りです。世界中のあらゆる場所から集められた花々と多くの樹の茂る広大な庭園の中にある宮殿の全景は、ボスポラス海峡の中でも最も素晴らしい眺めの一つです。。
 
 ギョクス宮殿:クチュクスとして知られるギョクス宮殿の名前は、その小さな宮殿の近くを流れてボスポラス海峡へと注いでいる川からとられたものです。19世紀中頃、アブドゥルメジット1世によって建てられ、夏の住居として使われていました。
 

モスク

ブルーモスク  ブルーモスクアヤ・ソフィア寺院と向かいあうように建っているのが、優雅な6つの尖塔を持つ スルタンアフメット・モスク です。1609年〜1616年に建築家メフメットによって建てられたこのモスクは、内部の壁が美しい青と白のイズニックタイルで飾られていることから、 ブルーモスク という名で広く知られています。夏の夕べには、光と音のショーが繰り広げられます。
巨大なドームと4つの鋭い尖塔を持つ スレイマニエ・モスク は、金角湾の西岸にそびえ建ち、イスタンブールのモスクの中でも最も美しいモスクと言われています。1550〜1557年にオスマン帝国の黄金時代の有名な建築家シナンによって建てられたこのモスクは、丘の頂上にあって、中庭の四隅にそびえる4つの尖塔がその大きさを際立たせ、どこからでも人目を引きます。内部のミフラブ(祈りのための壁のくぼみ)と説教壇はみごとな彫刻が施された白の大理石でできていて、美しいステンドガラスの窓から差し込む光は鮮やかな色に染められます。
 
 リュステム・パシャ・モスクは1561年にシュレイマン帝の娘婿の宰相リュステム・パシャの命によって建てられたものです。みごとなイズニックタイルが、こじんまりとして均整のとれた内部を飾っています。
 
 ファティーフ・モスクは1463〜1470年に建てられ、イスタンブールを征服したオスマントルコ帝国のファティーフ・スルタン・メフメットにちなんで名前がつけられました。ここには彼の廟があります。イスタンブールの丘のもう一方の頂上にあり、巨大なモスクの他に宗教的な建物、神学校、ホスピス、浴場、病院、キャラバンサライ、図書館などがあり、一見の価値ありです。
 
エユップ・モスク  巨大なエユップ・モスクは金角湾の近くの城壁の外側にあります。預言者モハメッドに従って聖戦の旗手を務めたエユップは、コンスタンチノープル陥落の聖戦の最中の670年にここで殉死したといわれています。オスマントルコ帝国がイスタンブールを征圧してから最初に建てられたこのモスクは非常に崇拝され、今も多くの巡礼者が訪れます。
 
イエニ・モスク  1597〜1663年に建てられたイエニ・モスクは、エミノニュの港を見下ろし、歴史の古いこの都市にやって来るフェリーや観光客を出迎えます。現在では優雅なドームやアーチはたくさんの鳩の住みかとなっています。目を見張るようなイズニックタイルが寺院のバルコニーを飾っています。
 

博物館

アヤソフィア  アヤソフィア博物館聖ソフィア大聖堂は、現在 アヤソフィア博物館と呼ばれていますが、長い歴史の中で疑いの余地なくもっとも素晴らしい建築物の一つといえます。コンスタンチヌス大帝によって建てられ、6世紀にユスチニアヌス帝によって再建されたこの建物の巨大なドームは、地上55メートル、直径33メートルもあります。ここではたっぷりと時間をとって、この建物の荘厳な静けさに浸り、見事なビザンチン文化のモザイク画を鑑賞することをお勧めします。
 
考古学博物館  考古学博物館はトプカプ宮殿の第一庭園のちょうど内側にあります。古代遺蹟の宝庫とも言える展示品の中には、あの名高いアレクサンダー大王の石棺も含まれています。古代オリエント博物館には、シュメール、バビロニア、アッシリア、ハッティ、ヒッタイト文明の遺物が展示されています。
 
 聖イレーネ博物館も元は教会でした。実際、これがイスタンブールに建てられた最初の教会でした。4世紀にコンスタンチヌス帝が建築を命じ、後にユスチニアヌス帝によって修復されました。この建物が建っているのは、キリスト教以前の寺院の敷地跡ということです。
 
トルコ・イスラム美術博物館  トルコ・イスラム美術博物館の黒い石造りの建物は、オスマン・トルコ皇帝、シュレイマン1世が、自分の住居として建てたものです。今日、そこには世界でも最古の絨毯と、陶磁器、金属細工品、細密画、カリグラフィー、織物や木工品などの見事なコレクションが展示されています。
 
 イブラヒム・パシャ宮殿と通りをはさんだ向かい側に、トルコ絨毯博物館があります。トルコ中から集められた素晴らしいアンティークの絨毯やキリムが納められています。
 
地下宮殿  アヤソフィアの近くには、イェレバタン・サルヌジュ (地下宮殿)の名で知られる6紀のビザンチン時代の貯水池があります。336本の重厚なコリント様式の円柱が、巨大な部屋の煉瓦づくりの素晴らしい丸天井を支えています。
 
 モザイク博物館には、5〜6世紀のビザンチン皇帝の宮殿であった当時の、非常に見事なモザイク道路が残されています。
 
カーリエ博物館  カーリエ博物館は11世紀のコーラの聖キリスト教会で、イスタンブールではアヤソフィアに次いで重要な遺跡です。内部の壁はとても素晴らしい14世紀のフレスコ画やモザイクで飾られています。キリストと聖母マリアの一生を題材にしたこれらの美しく彩色された絵は、ビザンチン美術の活力を感じさせます。教会の周囲にある修復された木造の建物では、都市の喧噪から離れ、ゆったりとした雰囲気の中でお茶やコーヒーを楽しむことができます。
 
軍事博物館  軍事博物館には、オスマン・トルコ軍が実戦で使った野営テントや、武器、戦闘用装備などが展示されています。毎日3〜4時の間に、オスマン時代の軍楽隊(メフテル・タクム)の演奏を聞くことができます。
 
 アタチュルクが住んでいたシシュリにある家は、今はアタチュルク博物館となっていて、多くの遺品が展示されています。
 

その他

ヴァレンス水道橋  ボズドゥーアン・ヴァレンス水道橋(ヴァレンス水道橋)は紀元368年に造られ、ビザンチン時代からオスマン時代まで宮殿内に水を供給していました。現在残っている900メートルの2階建ての水道橋は、旧市街を通る主要道路を跨ぐような格好になっています。
 
テオドシウス城壁  イスタンブールの城壁 (テオドシウス城壁)は、マルマラ海から金角湾まで7キロに渡って伸びています。今までに何度も修復された城壁はテオドシウスU世が統治していた5世紀のものといわれ、ユネスコでは、城壁と城壁囲む地域を世界文化遺産に指定することを宣言しました。
 
ガラタ塔  1348年にジェノヴァ人が建てたガラタ塔は高さ68メートルで、金角湾上にそびえています。頂上からは、金角湾とボスポラス海峡の素晴らしい景色が眺められます。夜には、観光客たちは最上階にあるレストランやナイトクラブ、バーで楽しいひとときを過ごすことができます。
 
ルメリ・ヒサール  ルメリ・ヒサールはヨーロッパ側にある要塞で、メフメット征服王が1452年、イスタンブール侵攻に先立ってわずか4カ月で造りあげたものです。世界の軍事建築物の中でも最も美しいものの一つです。
 
ボスポラス海峡  イスタンブール・ボアズ(ボスポラス海峡)イスタンブールに滞在するならば、伝統的で忘れ難い ボスポラス・クルーズ を抜きにすることはできません。これはアジアとヨーロッパを隔てて蛇行するボスポラス海峡をめぐる船旅です。海峡の沿岸には過去と現在、そして絢爛豪華さとシンプルな美しさとの素晴らしい対比を見ることができます。岸辺近くにはヤルと呼ばれる木造の家屋が立ち並び、すぐ隣には近代的なホテルがそびえたち、大理石の宮殿と飾り気のない石の砦が隣りあって並んでいるかと思うと、優雅なヨーロッパ人居住区の隣に小さな漁村があったりします。

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