アンカラ(Ankara)は、トルコ共和国の首都。人口約358万人(2003年)を抱えるトルコ第2の都市で、アンカラ県の県都でもあります。アナトリア半島中央部に位置します。都市の主要部分はウルス(Ulus)と呼ばれるオスマン帝国時代以前からの歴史的旧市街と、1920年代以降にトルコ共和国政府によってその南にイェニシェヒル(Yenisehir)という名で計画的に建設された新市街、およびその郊外地区からなり、政府の施設はイェニシェヒルに集中している。
アタチュルク廟から見たアンカラ市街
現在のアンカラの旧市街は古代にアンキュラ(Ancyra)と呼ばれる都市で、フリュギアによって建設されました。アンキュラは紀元前189年にローマ帝国によって占領されてアンゴラ(Angora)という名で知られるようになります。ローマ人は、現在も遺跡が残る大劇場、大浴場、アウグストゥスを祀る神殿、ユリアヌスの来訪を記念する円柱などを建て、アンゴラはローマ都市として整備されました。
東ローマ帝国(ビザンツ帝国)のもとでキリスト教が広まり、現在も残る城塞が築かれた。またテマ(軍管区)・オプティマトンの首府となるなど、アナトリア中部における帝国の地方行政・軍事の拠点都市となりました。
1073年にムスリム(イスラム教徒)のセルジューク朝によって占領され、トルコ人によってアンカラと呼ばれるようになりました。アンカラは1356年にオスマン朝のオルハンによって占領され、以降はオスマン帝国領となりましたが、その後は特に重要視されることもない地方小都市であったアンカラは、20世紀初頭の1919年においても人口2万5000人ほどの小都市でした。
第一次世界大戦終結後、戦勝国によりオスマン帝国の分割が進められ、さらにギリシャによってアナトリア西南部が占領されると、1920年にこれに反対して決起したトルコ人たちの抵抗政権がアンカラに樹立され、ムスタファ・ケマルがその指導者となってギリシャ軍をアナトリアから撤退させることに成功、さらにアンカラ政府は1922年、イスタンブールにあったオスマン帝国のスルタンを廃してトルコ国家の単独政府を宣言し、1923年に共和制を宣言してアンカラを首都とするトルコ共和国が樹立されました。
アンカラのホテル
アンカラの観光名所:
アヌトゥカビル(アタチュルク廟):トルコ共和国の建国者であるケマル・アタチュルクの霊廟は、街のアヌッテッペ地区の眺望の良い高台にあります。1953年に完成され、古代建築と現代建築を融合させたアイディアはトルコの現代建築を代表するもので、今でも卓越した印象を与えます。中には美術館があり、アタチュルクの立派な像が飾られ、自筆の書、手紙、所持品とともに、彼の生涯と共和国誕生の重要な場面を写した写真が展示してあります。
アナトリア文明博物館は、城門そばの古い隊商宿を美しく改造した建物です。旧石器、新石器、ハッティ、ヒッタイト、フリギア、ウラルトゥ、ローマの各時代の出土品やリディアの宝物など歴史的価値のある素晴らしい品々が展示してあります。
アンカラ城:あちこちに溶岩が露出する土地に建つこの城は、ガラテヤ人によって建築が始められ、ローマ帝国によって完成された後ビザンティン帝国とセルジューク朝によって修復や増築が行われました。この一帯はアンカラで最も古い地区で、城壁内には伝統的な建造物が数多く見られ、緑も豊かです。アンカラ地区は、紀元前2000年に“ヴィノ”(ハッティとヒッタイト)が発祥した地として知られています。この地域のトルコの伝統的家屋の中には修復され、トルコをはじめとする様々な国の料理やワインを味わえるレストランになっているところもあります。
ローマ劇場:この遺跡は、城の外からステージと舞台裏を見ることができます。ここで発掘されたローマ時代の彫刻はアナトリア文明博物館に展示されています。客席部分は現在発掘中です。
アウグストゥス神殿:この神殿は街のウルス地区にあります。西暦10年にガラテヤ人の王ピラメネスがアウグストゥスを祀るために建設したもので、2世紀にローマ人によってアンカラのアクロポリスに建て直されました。「アンキュラ時代のモニュメント」として非常に重要で、基部にはアウグストゥスの言葉が刻まれ、壁にはラテン語とギリシャ語で彼の偉業が記されています。5世紀になると、ビザンティンによって教会に改造されました。
ローマ浴場跡:ウルス地区のチャンクル通りにあります。フリギダーリウム(冷浴室)、テピダーリウム(微温浴室)、カルダーリウム(高温浴室)があり、ローマ浴場の典型的な特徴を備えています。この浴場は、医学の神であるアスクレーピオスを讃えるため、カラカラ帝(3世紀)の時代に作られました。現在では基礎部分と1階部分のみが残っています。
ユリアヌスの柱:ウルス地区にあるこの柱は西暦362年に建てられました。ローマ皇帝であったユリアヌス帝の来訪を記念して作られたといわれています。高さは15メートルで、柱頭には木の葉の飾りが施してあります。
ベエンディッキ:ショッピングセンターです。外観が特徴的で、まるでモスクのようです。それもそのはず、モスク一体型のデパート。2階まではショッピングセンター、その上にコジャテペ・ジャミィが鎮座しています。食料品、生活用品、雑貨、衣料品、本、CDなどを売っています。地元プライスなので、手ごろなお土産を探すことが出来ます。
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