ローマ時代にカッパドキアとして知られていたギョレメ国立公園は、周辺の自然を損なうことなく人間の手の入った世界でも珍しい地域です。岩をくり貫いた住居は紀元前4,000年に作られたものです。ビザンティン時代には教会や修道院が岩に穴を掘って作られ、その金色のフレスコが周辺の風景の色を反射しています。今日でも、円錐岩の洞窟住居と火山のトゥファでできた家は、周りの風景に違和感なくとけ込んでいます。
カッパドキアのホテル
ユルギュップは洞窟住居が作られた岩の麓にある人気の観光名所で、カッパドキア観光の足場とするにはうってつけです。ユルギュップでは、岩の家での人々の暮らしぶりを知ることができます。また、ワインの名産地として、ユルギュップでは毎年10月に国際ワインフェスティバルを開催しています。
ユルギュップを過ぎて南へ行くと、人里離れた
パンジャールルック渓谷に着きます。ここにはあざやかなフレスコ画の描かれた12世紀の教会と10世紀に建てられた ケペズ教会があります。素朴な、ムスタファパシャ(シナソス)の村に入ると、曲線を描き装飾を施されたファサードが別の時代を思わせる伝統的な石の家があります。さらに南へ進むと、
ケシュリック渓谷への道の西側にジェミルの村があります。ケシュリック渓谷には、修道院と、フレスコ画で飾られたカラ・キリセとメイヴァル教会があります。
ユルギュップの4km北の壮観な
デヴレント渓谷では、岩が風雨によって侵食され、尖塔、円錐形、方尖塔形になっており、妖精の煙突と呼ばれています。
2km西の
チャタルカヤ渓谷にある妖精の煙突は、独特なキノコの形をしており、街のシンボルになっています。
ギョレメ屋外博物館は、フレスコ画で飾られた岩窟教会と礼拝堂の集まりです。ここは、トルコ中央部で最も有名な場所の一つです。礼拝堂のほとんどが10世紀から13世紀(ビザンティンからセルジューク時代)に作られたもので、その多くに4本の柱に支えられた中央の丸天井があります。教会の北側には岩を彫って作られた墓があります。ギョレメ で一番有名な教会は、最も小さく最も新しいエルマル教会、忌まわしい蛇がとぐろを巻いたフレスコ画の印象的なユランル教会、バルバラ教会、チャルクル教会です。中心から少し離れると、新約聖書の場面を描いた美しいフレスコ画のあるトカル キリセ(バックル教会)があります。
ギョレメの街は円錐形の岩と妖精の煙突がある谷の右手にあります。ここには、岩の中に作られたカフェ、レストラン、ゲストハウスなどもあります。店では、たくさんのラグやキリムが売られています。道に沿ってギョレメの外に出ると、この地域で最も美しい谷があります。角を曲がる度におとぎ話から飛び出てきたような形の岩が現れ、時の流れに思いを馳せながら長い間見とれてしまいます。ギョレメの北側の道沿いにある
チャヴシンには、後陣の3つある聖ジョンのバプティスト教会と修道院があります。街には、礼拝堂と教会があり、岩で作られた住居には今でも人が住んでいます。
カイマクル、マズ、デリンクユ、オズコナックの地下都市は、迫害から逃れた7世紀のキリスト教徒によって使われていました。彼らはビザンティンの偶像破壊運動などの迫害を避けこの安全な隠れ家に逃げ込んだのです。これらの都市には穀物の貯蔵庫、馬小屋、寝室、台所、通気口などが完備されていました。今日では、明かりも灯され、カッパドキアツアーに欠かせない魅惑的な場所となっています。
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